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鹿児島県初記録のヒメジ科魚類ミナベヒメジ Parupeneus biaculeatusおよびホウライヒメジParupeneus ciliatus との形態学的比較

田代郷国・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

2006 年 7 月から 2014 年 10 月にかけて,鹿児 島県の薩摩半島と大隅半島から Parupeneus biaculeatus (Richardson, 1846) と同定されるヒメジ 科ウミヒゴイ属魚類 22 個体(標準体長 79.9– 322.3 mm)が採集された.本種はこれまでにイ ンドネシアのスンバ島沖,ベトナム,および中国 南シナ海沿岸から記録されていた(Randall and Lim, 2001; Randall, 2004).池田・中坊(2015)は 本種を和歌山県南部(みなべ)から報告し,同時 に新標準和名ミナベヒメジを提唱した.鹿児島県 本土から得られた標本はミナベヒメジ P. biaculeatus の日本における 2 例目の記録である. 本研究ではミナベヒメジの鹿児島県における分布 状況を報告し,標本に基づく形態の記載を行った. また,ミナベヒメジはホウライヒメジParupeneus ciliatus (Lacepède, 1802) に形態と色彩が酷似する ため,両種の比較を行った.