/ 051-040

薩摩半島沿岸から得られた鹿児島県本土初記録のカスリイシモチ

大井真人・粂野楓一・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

テンジクダイ科魚類Apogonidaeは日本近海から26属107種が知られており(本村,2024),ヒトスジイシモチ属Pristiapogon Klunzinger, 1870 はユカタイシモチP. exostigma (Jordan and Starks, 1906),ヒトスジイシモチP. faenatus (Valenciennes, 1832),カスリイシモチP. kallopterus (Bleeker, 1856) およびスミヒキイシモチP. taeniopterus (Bennett, 1836) の4 種が記録されている(Abe et al., 2023).2024 年7月7日に著者らが行った調査により,鹿児島県南さつま市坊津町から1個体のカスリイシモチが採集された.本種は国内において茨城県,小笠原諸島,伊豆諸島,和歌山県,高知県,宮崎県,および大隅諸島以南の南西諸島から報告されているが( 林・岸本,1983;林,2000;Senou et al., 2006;吉田ほか,2011;Motomura and Harazaki, 2017;吉田,2018;三木,2019, 2021;Abe et al., 2023;Motomura, 2023;本田ほか,2024;外山ほか,2024;橘ほか,2024),今回の採集調査により,新たに鹿児島県本土から記録されたのでここに報告する.