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徳之島におけるハクセキレイの集団ねぐらの観察事例

青柳 克

Abstract / Introduction / Summary:

 全国に分布するハクセキレイMotacilla alba[スズメ目Passeriformes セキレイ科Motacillidae]は, 各地において集団でねぐらを形成することが知られている(例えば,黒田,1960;湯浅,1960;熊谷他,1983;唐沢,1996 など).しかし,南西諸島における本種の集団ねぐらの情報は少なく,これまでに学術論文として沖縄本島から1例,インターネット上のブログ記事として徳之島から2例があるのみと思われる(青柳,2023;平城,2024;高,2015).このうち,徳之島では〈約300羽〉,〈約50羽〉の規模の集団ねぐらが紹介されている(平城,2024;高,2015).近年,著者もこれらのブログ記事と同様に,徳之島でハクセキレイの集団ねぐらを観察した.その集団は500羽を超える大群であったため,南西諸島における本種の大規模な集団ねぐらの事例として報告する.
 また,この集団ねぐらが2013年からほぼ毎冬に同所で形成されていた情報も得たため,10 年以上にわたり同じ場所に形成された集団ねぐらの実例としても報告する.