Abstract / Introduction / Summary:
鹿児島県は日本の西南部に位置し,大きく本土と離島の2つの地域分かれている.これまで,離島の多くで陸産貝類の分布調査が行われていたが,県本土の詳しい生物地理学的な分布調査の研究は比較的少ない.そこで本研究は薩摩半島東シナ海側に注目し,12地点での陸産貝類の分布調査を行い,各調査域における陸産貝類相を明らかにすることを研究目的とした.薩摩半島東シナ海側の12カ所において,目視による陸産貝類の見つけ取りをおこなった.同定作業後地点ごと種別にラベルをつけ保存した.その後地点ごとに類似度指数,鹿児島県のレッドデータブックによる希少性の点数分けを行い、データをまとめた. 調査の結果,鹿児島県日置市・南さつま市内の12地点の調査の結果,中腹足目8種,柄眼目13種,足襞目1種の合計22種,個体数931個体の陸産貝類が採集された.12地点の内最も多くの種数が採集できた地点はC千本楠であり,中腹足目4種,足襞目7種の合計11種が採集された.最も少ない種数が採集された地点は,H玉御前神社の中腹足目2種であった.