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鹿児島県薩摩半島西岸から得られた九州沿岸初記録のタカマユウツボ

荒木萌里 ・日比野友亮・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

ウツボ科タカマユウツボ属Anarchias Jordan and Starks, 1906は,背鰭と臀鰭が尾端部に限られる,眼上管の開口部が後鼻孔と隣接するなどの形質によって特徴づけられ(Böhlke et al., 1999;波戸岡,2013),これまでに10有効種が知られている(Smith, 2012).このうち日本からはタカマユウツボAnarchias seychellensis Smith, 1962のみが知られており(波戸岡,1984, 2013),本種はこれまでに日本国内において千葉県,伊豆半島,和歌山県,小笠原諸島,および種子島からのみ記録されていた(波戸岡,2013;小枝・本村,2017). 鹿児島県の薩摩半島西岸における魚類相調査の過程で,南さつま市笠沙沖から3個体のタカマユウツボが採集された.これらの標本はタカマユウツボの九州沿岸における初めての記録となるため,ここに報告する.