Abstract / Introduction / Summary:
鹿児島県いちき串木野市に位置する観音ヶ池は,大里川水系重信川下流の農業用水を確保するためのため池であり,食糧増産が求められていた昭和初期に,いちき串木野市内のいくつかのため池と同時期(1937年)に築造された(平,2015). 2018年8月,鹿児島県地域振興局農林水産部農村整備課・農村地域防災減災事業により観音ヶ池の護岸工事に伴う池の水抜きが実施された.その際に,鹿児島大学総合研究博物館の協力で,外来魚の駆除と在来種の保護を行なった結果,3科4属6種の魚類が確認された.本ため池では,2016年11月にも同様の水抜きが行われているが,その際の情報は担当職員の目視によって記録されており,資料や標本としては残されていない.ため池の魚類相の時間的変化や,外来魚駆除の影響を確認するためにも,標本に基づいた情報の蓄積が有益と考えられるため,本調査で確認された魚類をここに報告する.