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屋久島初記録のトビウオ科魚類アカトビ

萬代あゆみ・小西祐伸・田中啓介・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

トビウオ科ハマトビウオ属Cypselurusは,側線に胸部分枝がないこと,胸鰭先端が臀鰭後端に達するか越えること,腹鰭先端が臀鰭起部を越えること,臀鰭起部が背鰭第3軟条の下方またはそれより後方にあること,背鰭軟条が臀鰭軟条より2–5本多いこと,胸鰭の上から1–2軟条が不分枝であること,および下顎が上顎よりわずかに短いことなどによって特徴づけられる(Parin, 1999).本属魚類は日本から19種が知られており(藍澤・土居内,2013),このうちアカトビCypselurus atrisignis Jenkins, 1903はこれまで日本国内において小笠原諸島,伊豆諸島,および与論島から記録されていた(吉野,1988;落合,2004;藍澤・土居内,2013;中村,2014;田中・阿部,2016;田代,2018). 2018年7月19日に,屋久島近海から1個体のアカトビが採集された.この標本は大隅諸島における本種の標本に基づく初めての記録となるため,ここに報告する.