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マルバハギとサツマハギの中間型

丸野勝敏

Abstract / Introduction / Summary:

サツマハギ Lespedeza satsumensisi Nakai は磯間 山で採集された標本をもとに,新種として記載さ れた.その後,Hatusima (1967) は笠沙町野間岳か らナンゴクチョウセンヤマハギ L. formosa (Vog.) Kochne var. australis Hatusima を記載し,サツマハ ギを磯間山の固有種とした.大橋(1999)はナン ゴクチョウセンヤマハギをミヤギノハギの変種, サツマハギをニシキノハギの変種とした.秋山・ 大場(1983a)はナンゴクチョウセンヤマハギと サツマハギを同種とした. 筆者は,秋山・大場の説をもとにサツマハギ の観察を続けてきた.2005 年 9 月,野間岳の 2 種が隣接している生育地で,マルバハギ L. cyrtobotrya Miq. とサツマハギの中間型が存在す ることに気づき,2007 年 10 月に磯間山山頂岩場 でも採集した.さらに,2013 年 9 月に南さつま 市大浦町亀ヶ丘でマルバハギとサツマハギの中間 型を採集した.これまで,2 種間の中間型の報告 はないので,南さつま市大浦町亀ヶ丘の中間型の 観察結果を報告する.