イサキ科ミゾイサキ属 Pomadasys Lacepède, 1802 は背鰭起部に前向棘を欠くこと,下顎腹面の先端 に 2 つの小孔をもち,ヒゲを欠くこと,および下 顎正中線上に細長い溝をもつことによって特徴づ けられ(McKay, 2001;島田,2013),国内からはホ シミゾイサキ P. argenteus (Forsskål, 1775),マダラミ ゾイサキ P. maculatus (Bloch, 1793),およびスジミ ゾイサキ P. quadrilineatus Shen and Lin, 1984 の 3 種 が分布するとされていた(島田,2013).近年,国 内における本属魚類の4種目となるP. kaakan (Cuvier in Cuvier and Valenciennes, 1830) が Hata et al. (2015) によって鹿児島県薩摩半島西岸から得られた 1 標 本に基づき報告され,新標準和名カガヤキミゾイ サキが提唱された.国内から採集された本種の標 本は,長らく Hata et al. (2015) の 1 個体に限られて いたが,2020 年 4 月 24 日に同海域から国内 2 個体 目となるカガヤキミゾイサキが採集された. 本種が採集された薩摩半島西岸は,近年の魚類 相調査によって飛躍的に新知見が蓄積されており, 他にも多くの新種・日本初記録種が報告されてい る.加えて,それらの中には同海域における出現 を黒潮と関連させ考察を行っている報告も多数あ り[例えば,瀬能ほか(2013),藤原ほか(2017) など],南日本における魚類相の形成を考える際 にひじょうに重要な海域である.したがって,国 内 2 個体目となるカガヤキミゾイサキをここに報 告するとともに,本研究では薩摩半島西岸におけ る近年の魚類相調査で得られた知見の総括として, 過去 20 年間に同海域から新種・日本初記録種とし て記録された魚類のリストを作成した.

鹿児島県薩摩半島西岸から得られた国内 2 例目のカガヤキミゾイサキ, および過去 20 年間に同海域から新種 ・ 日本初記録種として 記録された魚類リスト(藤原恭司・伊東正英・本村浩之)