フエフキダイ科は美味であることから刺網,追 い込み網,延縄,および一本釣りなどの漁法で盛 んに漁獲され,食用とされる水産上重要分類群で ある(佐藤,1984).本科魚類は 5 属 44 有効種が 認 め ら れ て お り(Nelson, 2006;Fricke et al., 2019),最も種数の多いフエフキダイ属 Lethrinus Cuvier, 1829 は全世界から 29 有効種(Fricke et al., 2019),日本からは 19 種が知られている(島田, 2013).本属は頬部が無鱗,背鰭軟条数が 9,臀 鰭軟条数が 8,および胸鰭軟条数が 13 であるこ となどの形態的特徴をもつことで同科他属から識 別 さ れ る(Carpenter and Allen, 1989;Carpenter, 2001). このうちオオフエフキ L. microdon Valenciennes, 1830 はこれまで国内において大隅諸島と沖縄諸 島以南の琉球列島からのみ記録されていたが(島 田,2013; 萬 代 ほ か,2017),2019 年 6 月 20 日 に鹿児島県南さつま市笠沙町の沿岸海域からも 1 個体が漁獲された.この標本は本種の九州沿岸か らの初記録かつ北限記録となるため,ここに報告 する.

薩摩半島西岸から得られた北限記録のオオフエフキ(和田英敏・伊東正英・本村浩之)