ヨウジウオ科ウミヤッコ属Halicampus は,躯幹輪数が13–18,総体輪数が39–56,背鰭軟条数が16–26,胸鰭軟条数が10–20,躯幹部と尾部の上隆起線が不連続,および躯幹部中央隆起線と尾部下隆起線が連続することなどから特徴づけられる(Dawson, 1985).本属魚類はインド・太平洋域から12 有効種が知られ(Dawson, 1985),このうち日本近海からは9 種が記録されている(瀬能,2013;松沼ほか,2013;田代・本村,2015;Wibowoand Motomura, 2017).ホシヨウジHalicampus punctatus (Kamohara, 1952)は,これまで日本からのみ記録されており,相模湾から土佐湾にかけての太平洋沿岸,山形県鼠ヶ関から長崎県茂木にかけての日本海・東シナ海沿岸,瀬戸内海および東シナ海から記録されている(瀬能,2013).ホソウミヤッコHalicampus boothae(Whitley, 1964) は,日本国内ではこれまでに伊豆諸島,千葉県館山湾から高知県柏島にかけての太平洋沿岸,愛媛県宇和海,兵庫県と山口県の日本海沿岸および奄美大島から記録されている(瀬能,2013;Nakae et al., 2018;松沼,2018, 2019).鹿児島県本土における魚類相調査の過程で,薩摩半島西岸の笠沙町沖からホシヨウジとホソウミヤッコ各2 個体が採集された.ホシヨウジとホソウミヤッコはそれぞれ鹿児島県初記録と九州沿岸初記録となるため,ここに報告する.

薩摩半島西岸から得られた鹿児島県初記録のホシヨウジと 九州沿岸初記録のホソウミヤッコ(ヨウジウオ科: ウミヤッコ属)(荒木萌里・伊東正英・本村浩之)