ウバウオ科魚類 Gobiesocidae は,3 大洋の熱帯 から温帯域に広く分布し,その生息環境はタイド プールや岩礁性海岸などの浅海域から水深 200 m 以 深 の 深 海 域 ま で 多 様 で あ る(Nelson, 2006; Moore et al., 2012; Shinohara and Katayama, 2015). 本科魚類は,現在,約 50 属 169 種が認められて おり(Briggs, 1955; Fricke et al., 2016; Hastings and Conway, 2017; Conway et al., 2017),このうち,日 本国内からは 10 属 13 種が報告されている(林・ 萩 原,2013;Moore et al., 2012;Shinohara and Katayama, 2015). 鹿児島県奄美群島における魚類相調査の過程 で, 奄 美 大 島 か ら タ ス ジ ウ ミ シ ダ ウ バ ウ オ Lepadichthys lineatus Briggs, 1966 が 1 個体,沖永 良部島と与論島からホソウバウオ Pherallodus indicus (Weber, 1913) が 3 個体採集された.これ まで,日本国内において,タスジウミシダウバウ オは伊豆大島から宮崎県日南海岸の太平洋沿岸, 屋久島,および沖縄島から(林・林,1985;林・ 萩原,2013;Motomura and Harazaki, 2017),ホソ ウバウオは千葉県館山湾から愛媛県室手の太平洋 沿岸,三宅島,八丈島,長崎県野母崎,男女群島, 屋久島,奄美大島,および喜界島から(Briggs, 1962; 塩 垣・ 道 津,1973;Shiogaki and Dotsu, 1983; 林・ 萩 原,2013;Motomura and Harazaki, 2017)それぞれ記録されていた.したがって,タ スジウミシダウバウオは奄美大島から,ホソウバ ウオは沖永良部島と与論島からの初記録となるた め,ここに報告する.

奄美群島から得られたウバウオ科魚類2 種: タスジウミシダウバウオとホソウバウオ(藤原恭司・本村浩之)