アイナメ科魚類 Hexagrammidae は日本から 2 属 7 種が知られ(中坊・甲斐,2013b),アイナメ Hexagrammos otakii Jordan and Starks, 1895 やホッ ケ Pleurogrammus azonus Jordan and Metz, 1913 な どの水産業重要種を複数含み,オスが海藻などに 産み付けられた卵を保護する習性で知られる(大 脇,1990;篠原,1997a, b, d).そのうちクジメ Hexagrammos agrammus (Temminck and Schlegel, 1843) は側線が 1 本であることで日本産同科他種 と容易に識別され,日本国内において食用魚とし ても盛んに利用されるが(篠原,1997c),これま で鹿児島県における分布記録は長島列島,鹿児島 湾,および屋久島からのものに限られた(並田, 1977;大脇,1990;本村,2015). 鹿児島大学総合研究博物館所蔵標本の中から, 薩摩半島東シナ海沿岸から得られたクジメ 2 個体 が確認された.これらの標本は同海域における本 種の標本に基づく初めての記録となるため,ここ に報告する.

薩摩半島西岸から得られたクジメ(畑晴陵・伊東正英・本村浩之)