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フエダイ科タテフエダイLutjanus vittaの奄美大島からの記録

ジョン ビョル・中江雅典・小枝圭太・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

フエダイ科 Lutjanidae フエダイ属 Lutjanus は, インド・太平洋から 46 有効種が知られており (Allen, 1985, 1995; Allen and Talbot, 1985; Iwatsuki et al., 1993, 2015),日本近海からは 25 種が報告さ れている(林田ほか,2012;島田,2013).タテ フ エ ダ イ Lutjanus vitta (Quoy and Gaimard, 1824) は,インド・太平洋のセイシェル諸島からマーシャ ル諸島にかけて広く分布し(Iwatsuki et al., 1993; 島田,2013),日本国内では三浦半島,和歌山県 串本,沖縄諸島以南の琉球列島,南大東島から記 録されていた(島田,2013).藤山(1994)は奄 美大島から本種を報告しているが,写真に基づく ものであり,これまで標本に基づいた記録はな かった. 2014 年 6 月 27 日 と 2015 年 11 月 14 日 に 各 1 個体,奄美大島においてタテフエダイと同定され るフエダイ属魚類が採集された.これらは薩南諸 島におけるタテフエダイの標本に基づく初めての 記録となるため,その形態の詳細を記載し,ここ に報告する.