クダリボウズギス属 Gymnapogon は世界で 7 名 義種が有効とされており(Mabuchi et al., 2014), そのうち日本産の標本に基づき記載あるいは報告 があるものは,G. foraminosus (Tanaka, 1915),G. japonicus Regan, 1905,G. philippinus (Herre, 1939), および G. vanderbilti (Fowler, 1938) の 4 名義種で ある(田中,1915;林,2013;馬渕ほか,2015). Mabuchi et al. (2014) は,松原(1955)以降,長ら く G. japonicus の 新 参 異 名 と さ れ て き た G. foraminosus を有効種として扱ったが,標徴や記 載,調査標本等の根拠となる情報は示されていな い.一方,馬渕ほか(2015)は,クダリボウズギ ス属は 7 有効種が知られており,日本からはクダ リボウズギス G. japonicus,ナンヨウクダリボウ ズギス G. philippinus,およびコモンクダリボウズ ギス G. vanderbilti の 3 種が知られているとのみ 記述している.Mabuchi et al. (2014) と馬渕ほか (2015)は,長崎県産の標本に基づき記載された G. foraminosus を有効とするも,本名義種を日本産 クダリボウズギス属魚類に含めておらず,また同 属他種との識別形質等を示していない.今後,G. foraminosus の分類学的再検討が必要であるが, 本研究では便宜的に,林(2013)にしたがい,ク ダリボウズギスを G. japonicus として扱った. クダリボウズギスは日本国内において,新潟 県佐渡,島根県久村,山口県大島,長崎県平戸島・ 天草,瀬戸内海,千葉県銚子から高知県土佐湾の 太平洋沿岸,奄美群島奄美大島,および沖縄諸島 沖縄島から記録されている(松原,1955;林, 2013;石原・立原,2014). 2014 年 9 月 21 日に種子島の牧川港沖から 3 個 体のクダリボウズギスが採集された.本報告は大 隅諸島からの標本に基づく初めての記録となる.

大隅諸島初記録のテンジクダイ科魚類クダリボウズギス(吉田朋弘・本村浩之)