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県指定天然記念物「溝ノ口洞穴」の地質学的特徴

大木公彦・前田利久

Abstract / Introduction / Summary:

曽於市財部町大塚原にある「溝ノ口洞穴」は, 昭和 30 年 1 月 14 日に鹿児島県の文化財天然記念 物に指定されている.指定にあたり,県文化財保 護審議委員の門田重行氏が調査報告書を作成して いる.平成 26 年 6 月に「溝ノ口洞穴」の指定地 内において,無許可でスギ林の伐採が行われた. 伐採が行われた地域の一部と搬出のために敷設さ れた道路が「溝ノ口洞穴」の真上にあたり,天然 記念物の保存に影響を及ぼす可能性のあることか ら,平成 26 年 7 月 4 日に現地調査を行った.本 論文では,文化財保護の視点から「溝ノ口洞穴」 の地形地質学的考察を行ったので報告する. なお,「溝ノ口洞穴」指定地内のスギ林の伐採 は曽於市のご尽力によって解決し,市が私有地の 一部を購入して「溝ノ口洞穴」周辺の整備が進め られている.