Tashiro and Motomura (2014) は, こ れ ま で Helcogramma inclinata (Fowler, 1946) の新参異名と されていた Lepidoblennius marmoratus ishigakiensis が ヘ ビ ギ ン ポ 科 ク ロ マ ス ク 属 の 有 効 種 (Helcogramma ishigakiensis; Fig. 1A–B)であるこ とを明らかにし,ホロタイプ(YCM-P 31283,標 準体長 46.7 mm)と奄美大島以南の琉球列島から 得られた本種と同定される標本 41 個体(標準体 長 26.1–53.3 mm) に 基 づ き 再 記 載 を 行 っ た. Helcogramma ishigakiensis は 第 2 背 鰭 棘 数 が 13–15(最頻値 14),有孔側線鱗数が 28–39 (35), 下顎の感覚孔配置が 4–5 + 1 + 4–6,前鼻孔の皮弁 が不分枝,眼上皮弁が単尖頭,第 1 背鰭前方に被 鱗域がない,および婚姻色を呈した雄の背鰭基底 付近と尾鰭が赤色であるなどの特徴から同属他種 と識別される(Tashiro and Motomura, 2014).また, 彼らは H. ishigakiensis に適用すべき標準和名を 「ベニモンヘビギンポ」とした.本種は長らく正 体不明であったことから,適用すべき標準和名に 混乱が見られた.本稿では H. ishigakiensis に対す るベニモンヘビギンポの適用に関する経緯につい て述べる.本稿で言及した機関略号 KAUM と YCM の標本はそれぞれ鹿児島大学総合研究博物館と横須賀市自然・人文博物館に保管されている.

ヘビギンポ科クロマスク属 Helcogramma ishigakiensis (Aoyagi, 1954) に適用すべき標準和名(田代郷国・本村浩之)