ハタンポ科ハタンポ属には世界で 52 名義種が 知られており(Eschmeyer, 2015),日本からはリュ ウキュウハタンポ Pempheris adusta Bleeker, 1877, ツ マ グ ロ ハ タ ン ポ P. japonica Döderlein in Steindachner and Döderlein, 1883,ミエハタンポ P. nyctereutes Jordan and Evermann, 1903,ユメハタン ポ P. oualensis Cuvier in Cuvier and Valenciennes, 1831,ミナミハタンポ P. schwenkii Bleeker, 1855, ダイトウハタンポ P. ufuagari Koeda, Yoshino and Tachihara, 2013, お よ び キ ビ レ ハ タ ン ポ P. vanicolensis Cuvier in Cuvier and Valenciennes, 1831 の 7 有効種が知られている(Koeda et al., 2010a, b, 2013a;波戸岡・柳下,2013). リュウキュウハタンポ P. adusta は,インド・ 太平洋の広域に分布する種であり,インドネシア のアンボン島から得られた標本に基づき記載され た.本種は小枝ほか(2013)により学名と標準和 名 と の 対 応 関 係 を 明 ら か に さ れ,Koeda et al. (2014) によりタイプ標本を含めた標本に基づく詳 細な形態学的情報が示されるまで,他のハタンポ 属魚類と混同されていた.これまで本種は国内に おいて,三宅島,焼津,以布利,竹島,硫黄島, 種子島,屋久島,奄美大島,沖永良部島,与論島, 南大東島,沖縄島,石垣島,および西表島から記 録 さ れ て い た( 小 枝 ほ か,2013;Koeda et al., 2014). 2014 年 11 月 5 日に鹿児島県肝付町内之浦湾の 定置網でリュウキュウハタンポと同定される 1 個 体が採集された.この標本は九州本土沿岸におけ る初めての記録となるため,ここに報告する.ま た,口永良部島,中之島,徳之島からそれぞれ得 られた標本も各島における初めての記録となるた め,併せて報告する.

鹿児島県本土と薩南諸島 3 島から得られたリュウキュウハタンポ Pempheris adusta の記録と生物学的知見(小枝圭太・本村浩之)