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サクヤヒメジUpeneus itoui(ヒメジ科)の種子島からの初記録を含む東アジアにおける分布状況と種子島から得られたヒメジ属の未同定個体

田代郷国・高山真由美・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

ヒメジ科ヒメジ属サクヤヒメジ Upeneus itoui Yamashita, Golani and Motomura, 2011 は近年新種 として記載され,愛媛県,高知県,宮崎県,鹿児 島県本土(薩摩半島西岸と鹿児島湾),および沖 縄島から報告されている. 著者らは大隅諸島種子島における魚類相調査 の過程で,中種子町熊野沖の定置網からサクヤヒ メジ U. itoui と同定される 2 標本を得た.本研究 ではこれらの 2 標本のサクヤヒメジを詳細に記載 するとともに,本種が台湾にも分布することが文 献(Liu et al., 1985)により確認されたため,合 わせて報告する. また,サクヤヒメジに酷似するヒメジ属魚類 Upeneus sp. を 1 個体が種子島から採集された. 本報告では Upeneus sp. を U. itoui の原記載および 種子島産サクヤヒメジと詳細に比較した.