ハゼ科ハダカハゼ属魚類(Gobiidae: Kellogge- la)は,両顎とも歯の先端が三叉しており,外側 の列の歯が大きいこと,体全体が無鱗であること, 頭部感覚孔がないこと,第 1 背鰭が 6 棘であるこ と,第 2 背鰭条数が 11–13 であること,臀鰭条数 が 8 または 9 であること,腸が細長いこと,第 1 背鰭が低く,第 2 背鰭と同長かわずかに長いこと, 吻の側面が丸みを帯びること,脊椎骨数が 11 +15 =26 で あ る こ と な ど の 特 徴 を 有 す る(Hoese, 1975).本属魚類は,インド・太平洋の熱帯域か ら亜熱帯域にかけて 5 種が分布しており,サンゴ 礁や岩礁性海岸のタイドプールなどに生息する (Hoese, 1975; 鈴 木・ 渋 川,2004;Larson and Murdy, 2001;Randall, 2005, 2009).また,日本国 内からハダカハゼ属は,ハダカハゼ K. quindecim- fasciata (Fowler, 1946) とアカヒレハダカハゼ K. cardinalis Jordan and Seale, 1906 の 2 種が報告され ている(鈴木・渋川,2004;明仁ほか,2013). アカヒレハダカハゼはこれまでに,標本や水中 写真に基づき日本国内では八丈島,屋久島,奄美 大島,沖縄島,瀬底島,黒島,および西表島から 記録されていた(Senou et al., 2002;吉郷・中村, 2002; 鈴 木・ 渋 川,2004; 明 仁 ほ か,2013). 2012 年 10 月 27 日に鹿児島県与論町茶花与論港 付近のタイドプールから 2 個体のアカヒレハダカ ハゼが採集された.これらの標本はアカヒレハダ カハゼの与論島からの初記録であるため,ここに 記載し報告する.

鹿児島県与論島から得られたアカヒレハダカハゼ Kelloggella cardinalis の記録(岩坪洸樹・本村浩之)