ミクリ科 Sparganiaceae は 1 科 1 属で,北半球 全域とオ ─ ストラリア,ニュ ─ ジ ─ ランドに分 布し,日本では約 10 種の報告がある(角田, 1999).池の周囲,浅い河川,休耕田等に生育す る多年草である.葉は 2 列互生し,線形で直立す るか水面に浮かぶ.花は単性の頭花になる.雌雄 同株,下部の頭花は雌花,上部の頭花は雄花のみ からなる.果実は稜のある倒卵形から長楕円形で ある(北村,1987). 鹿児島県産のミクリ属植物は,ヤマトミクリ Sparganium fallax Graebn., ナ ガ エ ミ ク リ S. japonicum Rothert, ヒ メ ミ ク リ S. stenophyllum Maxim. の 3 種が報告されている(初島,2004). 湿地性植物と混生していることが多く,気づきに くく,花をつけない集団がみられ,分布等に問題 が多い.ミクリ S. erectum L. は宮崎県都城市が南 限とされ本県には生育しない(初島,2004)とさ れていたが,近年筆者は鹿児島県で本種を採集し た.ここでは本県で見られる 4 種の区別点,分布 等を報告する.

鹿児島県産ミクリ属植物 Sparganium L. の記録(丸野勝敏)