サバ科 Scombridae は世界で 15 属 49 種が知ら れており(Collette and Nauen, 1983),日本近海に は 11 属 21 種が分布する(中坊,2000).ニジョ ウサバ属 Grammatorcynus は世界で 2 種が有効種 として認められており(Collette and Gills, 1992), そ の う ち, 日 本 か ら は ニ ジ ョ ウ サ バ Grammatorcynus bilineatus (Rüppell, 1836) 1 種のみ が知られている ( 中坊,2000). Grammatorcynus bilineatus を標本に基づいて日 本から初めて報告したのは Kishinouye (1923) であ ると思われる。彼はマーシャル諸島と琉球列島か ら採集された複数の標本(多くの調査標本は全長 30 cm 程)に基づき本種の記載を行った.岡田 (1938) は,G. bilineatus に対し和名ニジヤウサバ を提唱したが,Kishinouye (1923) の報告を見落と しており,本種の分布域に日本(琉球列島)を含 めていない.その後,蒲原(1965)は本種(G. bicarinatus として)1 個体を宮古島から報告し, 益田ほか(1988)や中坊(2000)は本種の国内に おける分布域を沖縄島以南とした.鳥居(2001) は 1998 年 8 月に高知県の以布利で大敷網によっ て採集された本種 1 標本(FAKU 68214,標準体 長 41.7 cm)を報告し,現在ニジョウサバの国内 における分布は高知県以布利と沖縄島以南とされ ている(Nakabo, 2002). 2007 年 8 月 27 日と 2008 年 10 月 18 日に鹿児 島県南さつま市笠沙町沖で,また 2009 年 1 月 8 日に薩摩川内市下甑町沖で,それぞれ 1 個体ずつ, 計 3 個体のニジョウサバが定置網により採集され た.これらの標本は鹿児島県における本種の標本 に基づく初めての記録となるため,ここに報告す る.

鹿児島県から得られたサバ科ニジョウサバ Grammatorcynus bilineatus の記録(畑晴陵・伊東正英・山田守彦・本村浩之)