ヒメ目エソ科(Aulopiformes: Synodontidae)は 世界で 4 属約 57 種(Nelson, 2006),日本近海か ら 4 属 25 有効種が知られている(山田,2000; 宮原ほか,2002;Randall and Pyle, 2008).アカエ ソ属 Synodus は世界で 38 種が有効種として認め られており(Chen et al., 2007; Randall and Pyle, 2008; Randall, 2009),そのうち,日本に分布するアカ エ ソ 属 は ア オ ス ジ エ ソ S. orientalis Randall and Pyle, 2008,アカエソ S. ulae Schultz, 1953,イレズ ミオオメエソ S. oculeus Cressey, 1981,ウシエソ S. usitatus Cressey, 1981,オグロエソ S. jaculum Ru- ssel and Cressey, 1979,スナエソ S. fuscus Tanaka, 1917,チョウチョウエソ S. macrops Tanaka, 1917, ドキエソ S. doaki Russel and Cressey, 1979,ニテン エソ S. binotatus Schultz, 1953,ハナトゴエソ S. kaianus (Günther, 1880), ヒ ト ス ジ エ ソ S. varie- gatus (Lacepède, 1803), ホ シ ノ エ ソ S. hoshinonis Tanaka, 1917, ミ ナ ミ ア カ エ ソ S. dermatogenys Fowler, 1912,および S. lobeli Waples and Randall, 1989 の 14 種 が 知 ら れ て い る( 山 田,2000; Randall and Pyle, 2008). 岡村(1984: pl. 62, fig. c )は Synodus englemani Schultz, 1953 を日本初記録種として報告し,本種 に対して新標準和名ヒトスジエソを提唱した.そ の後 Randall et al. (1997a) は S. englemani を S. va- riegatus の新参シノニムとした. 現 在, 本 種 は モ ー リ シ ャ ス 諸 島(Randall, 2005), イ ン ド ネ シ ア(Allen and Adrim, 2003), 台湾(Shen, 1984),オーストラリア(Randall et al., 1997a),マーシャル諸島(山田,2000)など のインド・西部太平洋に広く分布し,日本国内か らは宮古島(Senou et al., 2007),伊江島(Senou et al., 2006a)などの琉球列島,屋久島(国安, 1999),相模灘(Senou et al., 2006b),および小笠 原諸島(Randall et al, 1997b;山田,2000)から 報告されている. 鹿児島県南さつま市笠沙町沖において,2007 年 11 月 10 日と 2009 年 12 月 11 日にそれぞれ 1 個体のアカエソ属魚類が採集された.これら 2 標 本は,鹿児島県九州沿岸から記録されていないヒ トスジエソと同定されたため,ここに報告する.

鹿児島県九州沿岸から得られたヒメ目エソ科 ヒトスジエソSynodus variegatusの記録(川村信和・伊東正英・本村浩之)