アジ科ムロアジ属 Decapterus は側線後部に稜鱗 が発達する,尾柄部に上下 1 対の小離鰭を有する, 肩帯後縁に上下に 2 個の突起を有するなどの特徴 をもち(Suzuki, 1962; Gushiken, 1983; Smith-Vaniz, 1999; Lin and Shao, 1999),日本からはアカアジ D. akaadsi Abe, 1958,クサヤモロD. macarellus (Cuvier, 1833),モロ D. macrosoma Bleeker, 1851,マルアジ D. maruadsi (Temminck and Schlegel, 1844),ムロア ジ D. muroadsi (Temminck and Schlegel, 1844), イ ンドマルアジ D. russelli (Rüppell, 1830),サクラア ジ D. smithvanizi Kimura, Katahira and Kuriiwa, 2013,およびオアカムロ D. tabl Berry, 1968 の 8 種 が 知 ら れ て い る( 瀬 能,2013; 岩 坪 ほ か, 2016).鹿児島県においてはこれらのうち全ての 種の分布が確認されているが(Jordan and Hubbs, 1925;今井・中原,1969;財団法人鹿児島市水族 館 公 社,2008; Motomura et al., 2010; 瀬 能, 2013;畑,2013; Kimura et al., 2013;武内,2014; 岩 坪 ほ か,2016; 鏑 木,2016; Motomura and Harazaki, 2017),サクラアジの記録は枕崎沖から のものに限られていた(岩坪ほか,2016). 2017 年 2 月 23 日に大隅半島東岸に位置する内 之浦湾において 1 個体のサクラアジが採集され た.本標本は本種における 3 例目の記録となると 同時に分布の北限記録となるため,ここに報告す る.

内之浦湾から得られた北限記録のサクラアジ(畑晴陵・本村浩之)